40 街並みが楽しい団地を選ぼう
【団地の価値はどこで決まるのか】
「27 住むほどに良さが分かる街並みの条件」で優れた団地の条件として、
①街並みが美しく整えられていること
②潤いがあること
③にぎわいがあること
④誇りが持てること
の4点を挙げた。
これはマンション団地だけでなく、一戸建て団地でも同じである。これらの要素を具体的にどのように実現しているかをみていくことにしよう。
1.千鳥配置の街並み
かつて効率の良さが追求されていた時代は、碁盤の目状に区割りされることが多かった。しかも建っている住宅は屋根の形をはじめ、なかの間取りも均一。おそろしいほど単調な家並み・街並みが形成されていた。
それではいけないということで、各区画を少しずつずらした千鳥配置が考案され、数多くの団地で実現するようになっている。区割りに変化を持たせることで、それぞれの家に表情が出るようになった。
さらに道路に対して建物を前面に出したり引っ込めたりするという方法も考えられている。道幅は同じでも視覚的に広がりと狭まりがあり、歩く人の歩行速度に合わせて風景が変化していくのである。
2.シンボルのある街
よく考えられた団地ではわざと行き止まりの道路をつくったり、車が通れない狭い道をつくるという手法が多用されている。
行き止まりの道やT字路をつくることで、車のスピードダウンを促し、住民は安心して歩けるようになる。また、囲み空間が出現し、顔見知りの人があいさつをして立ち話ができる場にもなるのである。
これらの街路に瓦礫や石畳を敷き詰めて、カラフルにするといっそう楽しい。加えてその街区のシンボルとなるような樹木を植え込んで、「はなみずき街区」「けやき街区」というように命名するケースが最近増えている。「自分たちの道」「自分たちの街」というように住民に強い愛着心を持ってもらえるようにもなり、自分も家も街並みを形成する一部であるとの自覚が芽生えることにもなる。美しく住もう、という共同意識が生まれて、玄関まわりの植栽や生け垣の手入れにも、関心を払うようになるのである。
3、こんな街に住みたい
優れた街づくりの計画手法の特色を見ながら、一戸建て団地を選ぶ際のヒントにしよう。
■厚木ニュー・シティ森の里
厚木ニュー・シティは東京都心部より南西へ約50km、横浜市中心から北西約30kmの厚木市の丘陵部に位置している。住居ゾーンだけでなく、大学や研究所などの業務施設がある「複合開発型」のニュ―タウン。森の里はその一画にある住居専用地域である。
スムーズな近隣コミュニティーが育つように私道や緑地、集会所などの敷地を居住者で共同管理するようにしている。地域内の道路は車のスピードダウンを促すように、蛇行や行き止まりなどを設けた「ボンエルフ道路」。道幅は6mを基調にしているが、道路にせり出すようにグリーンスポットを随所に設けて有効幅員を4m、5m、6mと変化を持たせている。先に見た辻広場など囲み空間を点在させて、ゆったりした印象を与えている。
■いちはら緑園都市
千葉県市原市に開発され、JR内房線の姉ヶ崎駅から約3.5kmの丘陵地にある。全体計画戸数は1330戸と大型の住宅団地だが、コミュニティー単位50戸を基準にしている。ボンエルフ道路と小公園を連続させて散歩道ふうにし、広場と駐車場を共存させたコモンスペースを要所に配置している。
■高幡鹿島台ガーデン54
東京都日野市にあるこのコミュニティーは曲線を描いた道路が特色。一歩一歩の足取りとともに街並みが変化してみえる。道路に張り込んだ同じ素材のタイルを各宅地内まで導入し、パブリック空間とプライベート空間とをうまく溶け合わせている。住棟の脇にポケットパークを設けたり,住棟と住棟の間に階段状のフットパスを設けたりするなど、路地空間が街全体にうるおいを与えている。







































