37 狭小地に快適空間を実現する「都市型住宅」の最新プラン

都心居住を志向する人々の急増に伴い、狭い土地でも快適に暮らせる「都市型住宅」が相次いで企画開発されている。敷地条件や周辺環境を上手にクリアした例を見ていくことにしよう。
【空へと伸びる3階建て住宅】
都市型住宅では、周辺に住宅などが立て込んでいることが多いため、プライバシーや防犯を確保しながら、いかに自然の風と光を取り込むかが課題となる。図①は、その課題に対してひとつの方向性を示した例だ。
1階部分には中庭に連続した客間、ガレージを置いている。ここから風を呼び込み、中庭に植え込まれたケヤキとともに上空へと伸び、2階部分に敷かれた、光を透す格子状のスカイデッキを突き抜けていく。
2階部分には囲むように居間・食堂・台所などを配置。3階部分は中庭を見下ろせる位置に主寝室や個室がある。これにより上空からの日当たりと風通しを確保した。
さらに屋上は、廃材を再利用した人工土壌による屋根緑化システムを導入し、草原のように植物を密生させている。自然とのふれあいの場を提供するとともに、室内の遮熱効果とヒートアイランド現象の抑制効果も期待できる。
また、雨水利用給水システムを採用し、雨水を地下タンクに貯留してトイレ排水や屋外散水に利用する。
【3階に家族が集う場を提供したゆとりプラン】
図②は、3階部分に居間・食堂・台所など、家族が集まるパブリックスペースを配した例だ。周辺に住宅等が立て込んでいても、日当たりや通風が期待できる。
2階部分は、プライベートスペースとし、主寝室や個室をはじめ、浴室、洗面室を配置。各室を独立させる廊下を最小限に抑え、空間にゆとりをもたせている。
1階部分は、客間としても使用できるように和室とし、おもてなし用のミニキッチンを付設。さらに両面道路の立地を生かして、2台が駐車できるビルトインガレージを設置している。
【設計段階から日照・通風をシュミレーションする】
密集地や狭小な敷地では、設計段階から日照計画、通風計画を綿密にプランニングする必要があるが、これまでは設計者の経験や勘に頼る面が大きかった。それを科学的に解析し、設計段階で日照・通風の状態をパソコン上でシュミレーションできる「設計支援システム」が開発されている。
敷地条件と、その敷地を取り巻く周辺の建物や道路などの条件を入力すると、1時間単位で日照時間が測定され、周辺環境の影響を受けて、建物内部の日照状況がどうなるかを正確に把握できる。通風についても、南風、北風といった特定の風向きはもちろん、複数の風向きを積算して表示できる。
これらは平面図だけでなく、3次元画面でも表示できるため、実際に敷地に立ったり、家の中にいるような感覚で確認できる。窓の位置や建具の配置など、最適な間取りづくりの実現が可能となっているのである。







































