26 こんなに楽しいマンション間取り

【四角いだけじゃない間取りのいろいろ】
マッチ箱の寄せ集めがマンションだといまだに思い込んでいる人がいる。それが都会的だと勘違いしている人もいる。けれどもさまざまな工夫が凝らされたプランが続々開発されているのである。
一戸建ての間取りと見間違うようなもの、一戸建てでは到底まねできないマンションならではのもの、将来の日本人のライフスタイルを先取りしたみずみずしい未来を感じさせるもの、など間取図を見ているだけで楽しくなってしまう。そうしたプランを集めてみた。選ぶ目を養うのにも役立つだろう。
[A}長四角の殻を破る
’82年に分譲され翌春に竣工している。年代こそ古いが手法はいまも健在。当時のマンションは長四角という固定概念が強かったが、それを見事に打ち破った。居室をアイランド(飛び島)のように配することで各居室の独立性を高め、プライバシーを確保している。北面居室の隣にライトコートを設けて全居室の自然採光、通風が可能になった。台所では流し台の延長線上に洗濯機置場を設置し、さらにライトコートに面してサービスバルコニーを付設。主婦は炊事をしながら洗濯物に目を配ることができるようになり、生ゴミなどを一時サービスバルコニーに置いて、居室を通らずに外へ持ち出せる。
[B]間取りの性格づけをする
住戸内で最も環境がよいのは南面開口部。どの用途の居室を置くかでその間取りの性格づけがほぼ決まる。この間取りでは家族が集まってくつろぐ居間と食事室を配置している。さらに20㎡近いルーフバルコニーを置くことで、たまには外で食事をしたり、くつろいでもらいたいという設計者の意図が見える。玄関まわりも広くまとめている。4.45㎡のアルコーブを設けて玄関ドアまで歩くというのはまさに一戸建ての感覚。台所には勝手口を付けてゴミを出せるようにしている。
[C]居間と食事室をズラして配置
開口部の間口を広くとり大胆に居間をレイアウトしたのがこの間取りの特色。食事室はL字型につないで場合によっては植栽などによって分離することも可能にしている。「25 住みやすい間取りは玄関の一で決まる」の図3の間取り図と見比べると分かりやすい。一般的な間取りでは通路を拡大した空間で食事をしているようにも見えるが、この間取りでは食事室にも独立性を持たせているのである。
[D]快適さを重点配分する
広く張り出したルーフバルコニー、それに呼応した居間。全居室に平均点的な快適さを与えるのではなく、思い切った重点配分によって全体の居住性を向上させている。バルコニーに対する考え方も、単に物干し台に使うのではなくリゾート感覚で使えるようにしている。
[E]一戸建てがまねできない間取り
間口が6.8m、奥行き27mという超長方形の間取り。仮にこの形状の一戸建てをつくろうとしたら相当の敷地が必要だ。マンションのスケールメリットを生かした、一戸建てではまねできないマンションならではの間取りといえるだろう。北面のフリールームは段差がある4mの廊下でつながっている。いわば“離れ”の発想。間隔があるので他の居室に気兼ねしないで、趣味や勉強に没頭してほしいという意趣が感じられる。
[F]柔軟に対応する
主玄関とは別に出入り口を持った居室(αルーム)が特色。ここを陶芸や絵画などの趣味室にすれば道具類を直接運び入れることができる。ピアノ教室などを開いたときは生徒が家人に気兼ねしないで直接出入りできる。また、結婚年齢の高齢化に伴って成人した子供が両親と長く一緒に暮らすケースが今後も増えそうだが、生活時間などの生活スタイルの異なる世代の同居を無理なく実現できる。2世帯同居型対応型住宅ともいえるだろう。
[G]ツインリビングの考え方
最近の家庭は学生時代の友人や趣味を通じての付き合いが増える傾向にあり、来客も多く、しかも頻繁に訪れるようになっている。国際化時代を反映して海外でパーティー生活を経験してきた人も増えはじめ、こうしたスペースを確保したプランへの需要が高まっている。この間取りは2つのリビングルームを持ったプラン。親しい訪問者を通すファミリールーム的なリビングと、やや気の張る来客をもてなすフォーマルな応接室的なリビングの2室がある。通常は植栽などで仕切っているが、パーティーなどを催すときはワンフロアにして仕様することもできる。







































